真似るべきは
ノウハウよりも「習慣」

 僕は真似ることを重要視しているが、多くの人と、真似るポイントが違うことに最近、気がついた。真似る時に、成功体験そのものや、ノウハウを聞く人が圧倒的に多い。

 一方で僕は、そのようなところは、聞いたとしても、細部がわからなくて結局は真似られないから、あまり聞こうとはしない。

 一般的にはそれほど重要だとは思われていない、日々のメールのやりとりや、スケジュール調整などをどのようにしているのかを知ろうとする。特別なアイディアで、全てがうまくいくなんてことは、現実だとほぼない。人に説明するために、ストーリー仕立てになり、因果関係がわかりやすくなっているだけで、その背景にある行動は真似られない。

 人を成功に導いているのは、習慣だ。挨拶の仕方、メールの返信の仕方、話の聞き方、お礼の言い方など、ちょっとしたところの習慣の質の、ほんの少しだけいい。それを繰り返していくことで、大きな差が生まれる。雨垂れ石を穿つ、と僕は思っていて、雨垂れ的な行為を僕は真似にいく。

 今はもうそのような仕事はないかもしれないが、部署に届いたFAXを各人に振り分けたり、電話をつないだりというのが、若手の仕事としてあった。そのような仕事を、本質的ではないと本気でやらない人が多い。僕は、先輩が外部の人とどんなやりとりをしているのかを知るいい機会だと思って、積極的にやっていた。

 そばにいる人だけでなく、世間で気になっている人の習慣も、メルマガやオンラインサロンなどでわかるようになってきた。僕自身は、ホリエモンこと堀江貴文さんのメルマガをチェックしている。どのようなスケジュールで、日々、活動しているのか。どのような優先順位で時間を使っているのか。SNSやメディアからだけだとわからない、堀江さんの思考が色々とわかる。

 あこがれの人の習慣に気づき、自分にどのように活かせるかを考えてみる。すると、時間の使い方への解像度が上がり、行動が自然と変わってくるはずだ。無理に行動を変えようとするのではなく、今まで気づけていなかった習慣に気づけるようになると、自分の行動も自然と変わる。観察によって、変化するのに覚悟がいらなくなる。