海辺でパーティーを楽しむ男女写真はイメージです Photo:PIXTA

外国語学習は女性や外交的な人のほうが習得しやすいと言われていたり、アルコールが少々入っていると発音が良くなるという説もあるが、それは真実なのか?ここでは外国語学習にまつわるさまざまな説を検証してみる。※本稿は、白井恭弘『新版 外国語学習に成功する人、しない人──第二言語習得論への招待』(岩波書店)の一部を抜粋・編集したものです。なお、記事のタイトルと見出しはダイヤモンド・ライフ編集部が付けたもので原著にはありません

男性より女性のほうが
外国語学習に向いている?

 よく、「女性のほうが語学の才能がある」といわれます。実際はどうなのでしょうか。

 もちろん男性で外国語がうまくなる人はいくらでもいますから、男性だからだめということはありませんが、外国語学習における男女差を比較した研究の結果は、(1)女性のほうが成績がよいことを示す研究がいくつかあるが、(2)男性のほうが聞き取れる単語の数で優れている、という研究もあり、(3)両者の差がない、という研究もあります。

 男性のほうが明らかに優れている、という研究はないので、「女性のほうが男性よりも国語学習に向いている」という一般化はある程度あたっているかもしれません。

 理由はまだよくわかっていませんが、1ついえることは、女性のほうが男性よりも、外国語学習に対して肯定的な態度で臨む場合が多い、ということです。これがおそらくより高い学習達成度に結びついているのではないでしょうか。

 では、なぜ女性のほうが外国語学習に対して肯定的か、という問題についてもさまざまな意見があります。

 女性のほうが人間関係についてより協力的なのに対して、男性は競争的であって、誰が上であり、下であるかに敏感であり、そのため男性は、高度に社会的な営みである外国語学習に向いていないのではないか、という見解もありますが、本当の理由はまだわかっていません。