一方、海外ドラマでこのフレーズを目にすると、話者の表情や声のトーン、そして前後の状況から、強い無関心や、時には軽蔑の念まで感じ取ることができます。
また、ドラマの中では、同じシチュエーションでも登場人物によって異なる表現が使われることがあります。
たとえば、上司に対して「How’s it going?」と言うキャラクターもいれば、「How are you doing, sir?」と丁寧な言い方をするキャラクターもいるでしょう。このような違いは、単なるフレーズの暗記では学べません。
単語やフレーズを表面的または機械的に暗記するだけでは、頭の中に「自分がそれを使っているイメージ」を持つことができません。そして、頭の中でイメージができないものを実現することは絶対にできません。
好きな作品で学習できるから
自然と英語に触れる時間が長くなる
多聴・多読のもう1つの特徴が「好きな作品を使うので、楽しく無理なくインプットが増やせる」ということです。「見ていて(読んでいて)楽しい」「続きが気になる」と思える海外ドラマや洋書に出会うと、自然と英語に触れる時間が長くなります。
「頑張らなければいけない学習」とは対照的に、やる気に頼らず自然と自分の時間を費やしているので、苦しみが少なく、インプットを増やしやすいのです。
真面目な英語学習者のなかには「ドラマを見るというのは、勉強している感じがしなくて抵抗がある」という意見もあります。英語学習の息抜きには海外ドラマを見ましょう、というアドバイスもよく耳にするので、なおさら勉強とは距離のあるものに感じるのかもしれません。
しかし、わたしがドラマを推しているのは、決して「娯楽」や「息抜き」としてではありません。「海外ドラマ以上に多聴に効果的なものはない」と本気で思っています。
また、多読を推奨している人のなかには、「多読をするときは、英語学習用に読みやすい単語や文法で書いたレベル別洋書から始めるべき」という意見も多くあります。