プレゼン資料は、「読ませるもの」ではありません。“込み入った話”を言葉だけで伝えようとすると、どうしてもまどろっこしい表現になり、非常にわかりにくい説明になりがちです。そんな時に必要なのは、伝えるべき内容の「本質」を、直観的に理解できるように「図解化」する技術。プレゼン資料は「見せるもの」なのです。そこで、累計40万部を突破した『社内プレゼンの資料作成術』シリーズの著者で、ソフトバンク在籍時には孫正義社長に直接プレゼンをして「一発OK」を次々と勝ち取った実績を持つ前田鎌利さんと堀口友恵さんに、プレゼン資料を「図解化」する技術を伝授していただきます(本連載は『プレゼン資料の図解化大全』から抜粋・編集してお届けします)。

「罫線」を太くしすぎない
表組みの「罫線」は、基本的に、あまり太い罫線は使わないようにしましょう。
【図-1】の①の表では、10pの太い罫線を使用しているのですが、罫線の存在感が強すぎて、一番見せたいチーム名が読みにくくなってしまっています。

罫線というものはあくまでも、補助的な役割を果たすべき“脇役”的な存在です。②の表のように細い罫線を使用することで、見せたいテキストなどをしっかりと目立たせるようにしてください。
おすすめなのは、「0.75~2p」の範囲で罫線の太さを調整することです。このくらいの太さであれば、見せたい要素の邪魔をせず、それでいて、「エリアを区切る」といった罫線としての役割も果たしてくれるからです。
上手に「強調」する方法
しかも、【図-2】のように、枠線が「10p」程度のボックスを重ねれば、目立たせたい部分を強く印象づけることができます。

あるいは、「太い罫線」のほかにも、特定のセルだけ背景色をつけたり、文字を太くするなど、さまざまな方法で「強調」することは可能です。そのためにも、脇役の罫線は控えめにすることを基本としたほうがいいのです。
(本稿は、『プレゼン資料の図解化大全』より一部を抜粋・編集したものです)
1973年生まれ。ソフトバンクモバイルなどで17年にわたり移動体通信事業に従事。ソフトバンクアカデミア第一期生に選考され、プレゼンテーションにおいて第一位を獲得する。孫正義社長に直接プレゼンして幾多の事業提案を承認されたほか、孫社長のプレゼン資料づくりも数多く担当。2013年12月にソフトバンクを退社、株式会社固を設立して、プレゼンテーションクリエイターとして独立。2000社を超える企業で、プレゼンテーション研修やコンサルティングを実施。ビジネス・プレゼンの第一人者として活躍中。著書に『【完全版】社内プレゼンの資料作成術』『プレゼン資料のデザイン図鑑』『パワーポイント最速仕事術』(すべてダイヤモンド社)など。
堀口友恵(ほりぐち・ともえ)
埼玉県秩父市生まれ。立命館大学産業社会学部卒業後、ソフトバンクへ入社。技術企画、営業推進、新規事業展開などを担当する中で、プレゼンの経験と実績を積む。2017年に株式会社固へ転職し、スライドデザイナーとしての活動を始める。企業向け研修・ワークショップの担当や大学非常勤講師のほか、大手企業などのプレゼンのスライドデザインを担当し、のべ400件以上の資料作成やブラッシュアップを手がける。前田鎌利著の『プレゼン資料のデザイン図鑑』『パワーポイント最速仕事術』のコンテンツやスライドの制作にも深く関わった。ITエンジニア本大賞2020プレゼン大会にて、ビジネス書部門大賞・審査員特別賞を受賞。小学生向けのオンライン講座「こどもプレゼン教室」を運営し、子どもたちのプレゼンスキルアップの支援も行っている。