京阪電車に乗って藤森神社から宇治の三室戸寺へ

高瀬川の東を流れる鴨川に架かる三条大橋を渡り、南へ向かいましょう。京阪電車「三条」駅で準急に乗って9駅目、「墨染」駅から徒歩約7分の藤森神社へ。今から1800年前、第14代仲哀天皇の后である神功皇后が新羅からの凱旋の後、この地に軍の旗を立て、武具を納めて塚を作り、神様をおまつりされたことが起源と伝わります。この話と、「勝負」に転じる「菖蒲」の節句発祥地であることにより、勝運のご利益で信仰を集めています。
今年は5月31日からの約1カ月間、3500株の紫陽花苑が開苑されています。週末には、謡曲、雅楽、舞楽、居合道、蹴鞠といった演奏や演舞の奉納が行われますので、時間を合わせて訪れるといいでしょう。馬の像も多くまつられ、競馬ファンの聖地にもなっています。個人的には、「いちのきさん」がおすすめ。御旗塚にあるイチイガシの木で、腰痛が治るご利益で知られています。
「藤森」駅から再び京阪電車に乗って「中書島」駅で宇治線に乗り換え、6駅目の「三室戸」駅へ。東へ15分ほど歩いて三室戸寺へ参りましょう。ここは定番の花の名所です。この連載でもおなじみで、最近では第47回で、つつじの名所としてご紹介しました。
その三室戸寺を語るのに欠かせないのが紫陽花。約50種2万株と、関西の紫陽花名所の中でも桁違いのスケールであることはもちろん、山の斜面を生かしたロケーションが何より魅力的。凛(りん)と立つ杉木立がアクセントになって、一幅の絵画を眺めているような気分になれます。今年は5月31日(土)から7月6日(日)にあじさい園が開かれます。
私のイチ押しは、ガクの数が多く、星のような形をした“幻の紫陽花”シチダンカ(七段花)です。ほかに、見つけると恋がかなうといわれるハート形の西洋紫陽花もあります。それをかたどった「ハート形のアジサイのお守り」や、繊細なレース生地に紫陽花の模様が透ける「あじさい幸運守り」、紫陽花柄のハートの絵馬など、紫陽花にちなんだご利益アイテムもそろいますので、チェックしておくといいですよ。
6月22日までの土・日は、あじさい園のライトアップも行われ、昼とは異なる表情が見られます。昼夜入れ替え制ですので、昼か夜、お目当ての時間帯を決めてから出かけましょう。
