まず最初に取り上げたいのが、すき家を運営するゼンショーホールディングスです。
「え、外食産業でしょ?なんで?」
と思うかもしれません。
実はゼンショーはすき家やはま寿司などの外食以外に、首都圏でマルヤ、マルエイ、ユナイテッドベジーズなどのスーパー事業を展開しています。ですから「グループ会社含めて年間1万トン以上のコメの取り扱いがあること」という小売業者としての資格は満たしているのです。
ゼンショーは説明会当日に1200トン、5kgに小分けすれば24万袋に相当するコメの買い入れを申し入れています。大手外食だけあって、備蓄米流通のボトルネックといわれている精米工程も自社工場で大量にこなせることも強みです。
さて、そうやってグループのスーパーで販売する計画なのでしょうけれども、イチ消費者の立場としてはゼンショーのアントレプレナーシップにぜひ期待したいことがあります。それは飲食チェーンでのコメ販売です。
今回の令和のコメ騒動は、今後の日本にとっての分水嶺になる事件だと言われています。要するにコメの価格が倍に値上がりしたことで、今年を境に消費者のコメ離れが急速に進むのではないかと危惧されているのです。
当然のことですが牛丼チェーン、回転寿司チェーン、そしてファミレスを経営する会社にとっては、日本人のコメ離れは深刻な経営問題です。ですからコメのおいしさを国民に再認識してもらうことは、外食大手にとっての責務であるはずです。
コメの販売は食糧法で規制されているのですが、2004年の改正食糧法でかつてのような登録は不要になり、届け出だけで販売できるようになりました。ですから、すき家の店舗でも手順をふめばコメは小売できるのです。
これはあくまでイチ消費者としての希望ですけれども、季節外れの感謝祭と称して1kgに小分けしたコメをすき家の店頭で390円(税込)で販売してほしいと思います。これなら全国のすき家ファン120万人にコメが行き渡ります。
なんなら百均で売っているレンジでコメが炊ける容器もおまけにつければ、自炊の習慣がない独身者もそれがきっかけで自宅でコメを食べる食習慣が始まるかもしれません。
こういう販売方法はある意味で掟破りですし、農水省もいい顔はしないはずですけれども、それでも小泉大臣は喜ぶはずです。それにこういうことはアントレプレナーしかできないことでもあるわけです。