
米価は下がると「嘘」を連発
農水省が守りたかったもの
ひとつ嘘をつくと、それを誤魔化すために新たな嘘をつかなくてはいけない。そうやってその場しのぎの嘘を積み重ねていくうちに「自滅」する――。
今の農林水産省は、まさしくそんなドツボにハマりつつあるのではないか。
「新米が出回れば問題は解決する」「コメは足りているけれど投機筋が買い占めている」「備蓄米を放出すれば価格は落ち着く」……。昨年夏から農水省が続けてきた「その場しのぎの適当な言い逃れ」に国民の怒りが爆発して、4月22日にはついに江藤拓大臣が謝罪に追い込まれた。
「備蓄米を出しても店頭価格が下がらない。責任を重く感じている。申し訳ないと思っている」
ネットやSNSでは「頭を下げるんじゃなく、価格を下げろ」とボロカスだ。さて、このように窮地に追い込まれた農水省を見て、国民の多くが首を傾げるのは長年、コメ行政に携わってきたエリート官僚たちが、なぜこんなしょうもない、その場しのぎの言い訳を繰り返すのかということではないか。
一部の専門家らによれば、これはまさしく冒頭で述べた「嘘」のせいだと言う。
昨年夏から続くコメ不足やコメ高騰の元凶は「減反政策」にある。しかし、これを50年以上も続けて莫大な税金を投じてきた農水省としてはそれだけは絶対に認められない。そこで「コメは足りている」という白々しい「嘘」をつき、それを誤魔化すためにまた苦しい言い訳を重ねているというのだ。
確かに、この50年に及ぶ「減反政策」の歩みを振り返れば、そういう話も納得だ。