銀行実力番付2025#21Photo:artisteer/gettyimages

国内金利の上昇を追い風に、銀行業界全体の本業利益が好調に転じた。ただし、その恩恵は一様ではなく、本業赤字に沈んだ銀行は全国で14行に上った。特集『銀行実力番付2025』の#21では、近畿編のランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)

近畿の地方銀行10行
本業利益率ランキングの結果は?

 長らく続いた超低金利時代が終わり、利ざやが回復傾向にある。銀行業界は、金利差によって収益を上げる本来のビジネスモデルへの回帰を図り、預金獲得にも一段と力を注ぎ始めている。

 もっとも、金利上昇の恩恵が全ての銀行に等しく行き渡っているわけではない。

 預金金利は各行ともほぼ一律に引き上げられているが、貸出金利については、銀行の規模や営業力の違いによって差が生じやすい。そのため、預貸金利差の改善が進まず、収益が伸び悩む銀行も少なくない。結果として、銀行間の収益力の格差は、むしろ拡大傾向にあるのが実態だ。

 そこでダイヤモンド編集部は、企業や個人向けの貸し出しや金融商品の販売、法人向けコンサルティングなどで得られる手数料収入を銀行の本業と捉え、最新決算を反映した「銀行実力番付2025」の本業利益率ランキングを作成した。

 本稿では、近畿の地方銀行10行を対象とする。同エリアでは地銀株を中心に投資するありあけキャピタルが、6月16日に池田泉州ホールディングスの株式を7.52%まで買い増したことが明らかになった。アクティビストの存在感が高まり、近畿圏の地銀に無視できない影響力を持ち始めている。

 ファンド発の再編機運が高まる中、果たしてベスト1位に輝いたのはどの銀行か。片や、金利上昇の追い風を生かせず低迷を続けるワースト1位は――。次ページで、近畿10行の本業利益率ランキングを一挙に公開する。