
国内金利の上昇を追い風に、銀行業界全体の本業利益が好調に転じた。ただし、その恩恵は一様ではなく、本業赤字に沈んだ銀行は全国で14行に上った。特集『銀行実力番付2025』の#20では、中部編のランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)
中部の地方銀行19行
本業利益率ランキングの結果は?
銀行業界に、久々に活気が戻ってきた。
長く続いた低金利が転換し、利ざやは拡大。銀行は金利差を収益源とする本来のビジネスモデルへの回帰を進め、預金の獲得にも本腰を入れている。
だが、金利上昇の恩恵は全ての銀行に平等なわけではない。
預金金利はどの銀行もほぼ横並びで上昇する一方、貸出金利は銀行の規模や競争力によって差がつきやすい。そのため、預貸金利ざやの改善が進まず、収益が伸び悩む銀行も出てきている。銀行間の収益力格差は、むしろ拡大しているのが実情だ。
そこでダイヤモンド編集部は、企業や個人向けの貸し出しや金融商品の販売、法人向けコンサルティングなどで得られる手数料収入を銀行の本業と捉え、最新決算を反映した「銀行実力番付2025」の本業利益率ランキングを作成した。
本稿では、中部の地方銀行19行を対象とする。全国の本業利益率ワースト10のうち5行を中部が占めており、本業で苦戦する地銀が多い地域といえる。
果たしてベスト1位に輝いたのはどの銀行か。片や、金利上昇の追い風を生かせず低迷を続けるワースト1位は――。次ページで、中部19行の本業利益率ランキングを一挙に公開する。