しかも近年は、変化の激しいVUCA(不確実性・不安定性・複雑性・曖昧性)の時代。トレンドが目まぐるしく移り変わり、顧客の価値観も多様化し、過去の成功パターンが通用しないため、導入期の難易度は一層増しています。
その導入期を乗り切るために必要なのは、アイデアや技術力ではなく「市場との適合」を1つひとつ丁寧に確認すること。つまり「本当に市場に合っているのか」を問いを立て、仮説と検証を繰り返すアプローチが欠かせないのです。
市場との適合を確認するための
フレームワーク「適合の4段階」
市場適合への道のりにおいて、重要なフレームワークが「適合の4段階」です。
プロダクト開発には、乗り越えるべき4つの「適合」の段階が存在します。これはプロダクトそのものが顧客やユーザーのリアルなニーズに応えているかを問い直す視点です。
プロダクトが市場に定着するまでの「適合」には、Customer Problem Fit(CPF)、Problem Solution Fit(PSF)、Solution Product Fit(SPF)、Product Market Fit(PMF)という4つの段階があります。
1. Customer Problem Fit(CPF):「顧客」に「課題」が存在するか
最初の段階で重要なのは、表面的なニーズではなく、顧客自身が行動を起こしたいと思う、あるいは既に行動を起こしているほどの切実な課題が存在するかどうかを見極めること。単に困っていると言っているだけでは不十分で、日常的に痛みを感じたり、実際に代替手段に手を出したりしているかを観察する必要があります。
2. Problem Solution Fit(PSF):「課題」を解決できる「解決策」は何か
次に確認すべきは、自社が提示するプロトタイプやコンセプトベースの解決策に対して、顧客から「それなら解決できそうだ」と感じてもらえるかどうか。技術的に正しそうに見えるだけでは不十分で、顧客の視点から見て納得感や期待を持てるといった、感覚的なリアリティが求められます。