
「アイデアは良いのに売れない」その原因はアイデアではなく「適合ミス」かもしれない。マイクロソフトやグーグルでエンジニアとして活躍し、複数の企業で技術顧問を務める及川卓也氏が、プロダクト事業成長に活用できるフレームワーク「適合の4段階」を解説。陥りがちな失敗パターンを紹介し、長く支持されるプロダクトづくりのヒントをお伝えする。
プロダクトが広がらない原因は?
「アイデア」よりも重要なもの
経営陣の強い後押しのもと、スタートした新規事業。最先端の技術を活用し、1年以上の期間と多額の予算を投じてアプリを開発したものの、導入件数は伸びず、ユーザーの定着率も低迷。プロジェクト責任者は「アイデア自体は間違っていないのに、なぜ受け入れられないのか」と悩む……。
社会課題に即しており、技術的にも実現可能、競合との差別化要素も揃っている。それなのに、ユーザーに受け入れられない。使われない。広がらない。そんな新規プロダクト事業の事例は、決して珍しくありません。
こうした失敗は、「そのアイデアが、誰にとって、どんな課題をどう解決するのか」という“適合”の確認をおろそかにすることで起こるものです。
この記事では、「売れないプロダクト」がはまりがちな“適合ミス”を4つの段階に分けて解説し、その乗り越え方を説明していきます。