保有株の棚卸しが投資の質を高める
ときには、自分が保有している銘柄を見直し、「なぜこれを持っているのか?」を改めて問い直すことも大事です。
株価が下がったからといって、必ずしも売る必要はありませんが、「最初に買った理由が今も生きているか」は定期的に確認することが大切です。
決算書は「読む」より「慣れる」
決算書を最初から完璧に理解しようとしなくても大丈夫です。私も最初はチンプンカンプンでした。
ただ、読み慣れてくると、どこを見るべきかが自然とわかってきます。最初は「売上」「利益」「来期の見通し」だけでも充分。
慣れることで、だんだん「その会社の癖」も見えてくるようになります。
投資の「軸」を決めておく
株式投資は情報が多く、どう動くか迷うことも多いものです。そんなとき、判断の軸になる「自分なりの基準」をもっておくとブレにくくなります。
たとえば、「高配当株を中心にする」「成長性を重視する」など、自分の投資スタイルを明確にしておくと、ニュースや株価の変動に右往左往しにくくなります。
投資ノートをつけて、自分を知る
何を買ったか、なぜ買ったか、どう思ったか――そうした記録を残すことで、自分の癖や判断の傾向が見えてきます。
「焦って買ったのが失敗だった」といった反省も、次の成功の糧になります。どんなベテランでも間違えます。大事なのは、そこから何を学ぶかです。
投資の「余白」が心を守る
全力で資金を突っ込まず、常に少し余力を残しておくことも、私が長年守ってきたことです。
予想外のチャンスが来たとき、余力がないと手が出せませんし、なにより精神的な余裕がなくなります。
「いつでも買える」「いつでも逃げられる」――そんな余白があるだけで、判断を誤る確率はぐっと減ります。
焦らず、続ける
若い人に伝えたいのは、「すぐに大儲けしようと思わないこと」です。
投資はマラソンと同じで、長く続けることが何より大事。うまくいかない時期があっても、焦らず、淡々と続けていけば、必ずチャンスはやってきます。
私が今でも現役でいられるのは、そうして続けてきたからです。
※本稿は、『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。