【資産20億円・89歳の現役トレーダー】儲ける投資家はやっている「焦らない投資」の技術

2025年6月27日 6:50

「買わなかった理由」を記録する

　私が必ずやっていることのひとつが、「買わなかった理由」をはっきりさせておくことです。たとえば、「RSIが高すぎた」「PERが割高だった」「一目均衡表で買いのシグナルが出ていなかった」など、判断の根拠を明確にしておく。

　そうすることで、あとから株価が上がっても「買っておけばよかった」と感情的にならずに済みます。「自分のルールに従って動いた結果なら、失敗ではない」と、経験が証明してくれるのです。

　チャートはあくまで「今」の市場の反応を見るツール。ですが、それだけでは未来はわかりません。私は決算書や業界動向なども確認します。

　成長が続く企業かどうか、競争優位性があるか、経営陣が信頼できるかといった「企業の体力」を見極めるのは大切です。チャートが良くても、中身がともなっていなければ、中長期的な上昇は見込めません。

　株は「買うこと」だけが正解ではありません。むしろ、「買わない」という決断こそが、資金を守る最大の手段になることも多いです。

　投資歴が長くなればなるほど、「買わなくてよかったな」と思う場面がいくつも出てきます。そういう経験を積んでいくと、だんだんと「焦らず待つ」ことの大切さが身についてくるものです。

　相場が騒がしくなると、「乗り遅れたくない」「今買わないと損をするのでは」と気持ちが急いてしまうことがあります。でも、そこに冷静さを失ってしまうと、思わぬ損失につながります。

　私はいつも、「いい銘柄は、また必ず買えるチャンスがくる」と思っています。タイミングを見誤らなければ、無理に飛びつかなくても利益は出せます。

　次のチャンスまで、じっくり構えて待てばいい。そう考えることも、また大切なことです。