
「個が強ければ、チームも強い」。コンサル業界では、そんな信念が語られがちだ。だが、現場で成果を出し続ける“伸びるチーム”には、明確な共通点がある。成果を出し続けるチームと、伸び悩むチームを分けるもの。それが「ビジョン」「リーダー」「カルチャー」という3つの要素だ。チームとしての目的が明確で、それを体現するリーダーが存在し、価値観が共有された文化が根づいている。この3要素がそろうことで、組織は外部環境に左右されず、長期的に成長を続けることができる。
大手コンサルティングファームのヘッドハンターとしても活躍する奥井亮氏の視点から、“伸びるチーム”が実践する組織設計の秘訣を解説する。
コンサルティングファームにおける
チームの重要性とは?
かつてのコンサルティングファームでは、“スター人材”が成果を牽引する場面も多く見られました。しかし、クライアントの課題が複雑化・多層化してきた今、一人の力だけで課題を解決することは難しくなっています。
特に、短期間での成果が求められるプロジェクトが増える中で、限られた時間とリソースで高品質なアウトプットを安定的に出し続けるためには、個人の力だけでなく、「チームとしての設計力と運用力」が問われる時代になっています。
AIが進化し、コンサルタント一人ひとりの生産性が飛躍的に向上してきています。しかし、その中でも、その力を正しい方向に束ね、最大化させる“チームという器”の重要性は変わりません。
むしろ、AIが業務の一部を担う今だからこそ、ビジョンやカルチャーといった「人にしか持てない価値」が、チームの成果を大きく左右するようになっています。
では、成果を出し続ける“強いチーム”とは、どのように作られているのでしょうか。