年収アップの鍵Photo:PIXTA

コンサル業界といえば、「高年収」で知られる業界の筆頭だ。実力があれば、年齢に関係なく高い年収を実現できると期待している人も少なくないだろう。しかし実際に、コンサルティングファームで年収アップを実現する上では、実力以外の要素も重要な鍵を握る。コンサル業界の転職事情・キャリア形成に詳しいヘッドハンターの奥井亮氏が「コンサル業界のキャリア」を徹底解説する本連載。第3回はコンサル業界での年収アップの秘訣を解説する。(アサイン取締役 奥井 亮)

年収が高くなりやすい
コンサル業界のビジネスモデル

 コンサルタントというと「年収が高い」というイメージを持っている人も多いかと思います。この要因としては、実力主義であるということももちろんありますが、それ以上にコンサル業界のビジネスモデルそのものが強く影響しています。

 コンサル業界のビジネスモデルの特徴として、一番に挙げられるのは利益率の高さです。1件1件のプロジェクト単価が高く、売り上げが高くなるというのは想像しやすいと思いますが、固定費の小ささも特徴的です。

 コンサルタントの仕事に特別な設備投資は要りません。パソコンさえあればほとんどの仕事はできてしまいます。

 ゆえに固定費の大半を占めるのはコンサルタントの人件費。それさえも実力主義を採用することで無駄な上昇を抑えることができているのです。

 また、各プロジェクトにおける利益の大小がパートナーやマネジャーの評価につながっているファームも多く、プロジェクト単位で見ても無駄な費用がかかりづらくなっています。

 そのほか、マネジャー以上の職位では特に、引き抜きや転職が他の業界よりも一般的であることも年収を上げる要因になっています。ファームだけでなく事業会社からも声がかかるので、各ファームは優秀なコンサルタントについては、毎年年収を大きく引き上げることで在籍し続けてもらおうと試みているわけです。

 一方で、全員が全員高い年収かというとそうではなく、同じ年齢や年次であっても人によって大きく変わります。例えば、27歳でコンサル業界に500万円程度の年収で転職し、30歳で年収が1000万円を超えている人もいれば、600万円程度にとどまっている人もいます。

 この違いはどんなところにあるのでしょうか。