あせって「前置き」が
出てこないときの対処法
そんなときは、「あの」「すみませんが」といった、あいまいな言葉で「前置き」しても十分に効果があります。いきなり本題に入るのではなく、少しでも「前置き」を入れることで、相手の注意を引きつけやすくなるからです。
結局、「前置きメソッド」を最大限に活かすためには、相手の状況や気分を読むことが欠かせません。
コミュニケーションは相手あってのもの。自分のタイミングだけで話すのではなく、相手の状況に合わせることが重要です。
たとえば、上司や同僚がパソコン作業をしている最中に、急に声をかけても、十分な注意を引けないかもしれません。
しかし、相手が手を止めて顔を上げたタイミングで声をかければ、こちらの言葉に集中してくれる可能性が高くなります。
また、「ちょっとお時間いいですか?」「今、話しかけてもいいですか?」というフレーズはオフィスでよく使われる「前置き」です。
これも、もっと効果的にするには、具体的な時間を加えて、「ちょっと1分いいですか?明日の会議の時間の確認です」などと、どのくらいの時間が必要かを明示します。
具体的な「前置き」で、相手もより安心して聞いてくれるようになります。
「前置きメソッド」の本質は、相手に自分のための「心のスペース」をつくってもらうこと。

相手が忙しいときや自分のことでいっぱいいっぱいのときは、どんなすばらしい言葉も、なかなか心に響きません。
しかし、「あなたにしか相談できないことがある」といった相手の自尊心をくすぐるような「前置き」をすると、話をぐっと聞いてもらいやすくなります。
たったひと言添えるだけで、相手とのコミュニケーションをスムーズにし、話を聞いてもらえるようになる魅力的なテクニックです。
忙しいビジネスシーンやプライベートで困ったときなどに、ぜひ活用してみてください。