
仕事をする上で、思ったようにいかなかったり、思考が後ろ向きになったり、ストレスや不満、行き詰まりを感じることは誰でもあるのではないでしょうか。その「仕事の壁」を乗り越える方法があります。心理カウンセラーの大美賀直子さん監修の『仕事の壁はすべて「心理学」が解決してくれる』(青春出版社)から、仕事がうまくいく心理学的実践テクニックを紹介します。
何気なく使う言葉が人生の明暗を分ける
ベンチャーキャピタル(投資会社)がスタートアップ企業に出資するには、事業内容や事業プランが徹底的に精査されるのはいうまでもありません。
しかし、「それだけではない」と言うのは、ベンチャーキャピタリストB氏。出資するかしないのか、最後の決め手になるのは起業家の人となりだというのです。人となりとはどういうことでしょうか?
「端的にいえば、どんな言葉を使っているか。見るのはそこですね。成功する人は成功する言葉を使い、失敗する人は失敗する言葉を使っている。言霊(ことだま)って本当にあるんですよ。よい言葉にはよい影響があり、悪い言葉には悪い影響があるんです」
B氏によると、失敗する言葉の代表格は、「どうせ」「しょせん」「やっぱり」といった表現。「どうせ、オレは能力が足りないんだ」「しょせんは分不相応だったんだ」「やっぱり無理だということだね」……こんな言葉が出てくるようだと、成功はおぼつきません。
言霊があるかどうかは別にして、心理学的にもこれらの言葉が負の影響力を及ばすことは明らかです。これらの言葉は考えることを放棄し、自分を否定します。行き着くのは、何をやってもダメだという結論しかありません。