「“異常なし”ってウソだろ…」肩・腰の“謎の痛み”を引き起こす「モヤモヤ血管」とは?治療法を医師が解説!写真はイメージです Photo:PIXTA

長年にわたって肩こりや腰痛に悩まされているのに、病院で診てもらっても「問題なし」と言われ途方に暮れた経験がある人もいるだろう。しかし、「もう治らない」と諦めていた“謎の痛み”にもきちんと原因があることが明らかになった。医大教授や現役医師の2人が痛みのメカニズムと治療法を解説する。※本稿は遠藤健司・奥野祐次『こんなに痛いのにどうして「なんでもない」と医者に言われてしまうのでしょうか』の一部を抜粋・編集したものです。

謎の痛みの原因は
モヤモヤ血管だった

 モヤモヤ血管(編集部注/関節のまわり、腰、肩こりなどの長引く痛みの部分にできる異常な血管。五十肩患者の100%に、モヤモヤ血管が存在する)はさまざまな刺激でできてしまいます。

 例えば転んで膝の内側をぶつけたとか、不意に肩をひねったとか、そういったことから生じる可能性があります。打撲や捻挫などのありふれたケガが原因でモヤモヤ血管ができてしまうこともあるのです。

 しかも、年齢を重ねるほどできやすくなります。

 若いうちは異常な血管が少しできたとしても、それらを減衰させる能力が高いので、すぐに血管が減って正常化し、2週間ほどで痛みが治まります。

 しかし、加齢とともにこのような「血管を正常化する働き」は衰えてしまいます。平均して40代後半を過ぎると、この血管を減らす能力が著しく下がるため、体のあちこちに異常な血管ができやすくなってしまうのです。

 また同じ動作を繰り返して行なうことや、座りっぱなしなどの長時間にわたる刺激も異常な血管ができてしまう原因となります。