こういった場合も、それら4本の指1本1本に注射をするのではなく、手前にある手首の血管から一度に薬を流すことで、すべての指を同時に治療することができます。
ガンコな肩こりにも
動注治療2回で効果あり
動注治療は肩こりにも効果的です。
これまで肩こりの治療といえば、マッサージに行くか、自分でストレッチをするか、あるいはがまんするなどしか方法がなかったと思います。しかし最近になって肩こりの強い症状を持っている人は、異常なモヤモヤ血管と神経が筋膜や肋骨(ろっこつ)の表面に増えていることがわかってきました。
私たちが肩こりで悩んでいる1300人以上の方にこの治療を行なった結果、痛みだけでなく強いコリや張りが軽減されることが患者さんの声をもとにした調査にて判明しました。最近では日本肩関節学会において、この肩こりに対する動注治療が効果的だという発表をしました。
動注治療の効果は一時的なものではなく、平均して2回ほど受けていただくことで、根本的に長引く痛みを抑えてくれます。そのため、定期的な通院の必要はありません。
また、治療後に日常生活の制限がまったくないので、治療当日に仕事もできますし、お風呂に入ることもできます。オフィスワーカーの方であれば、仕事の休憩中に治療を受けて午後に仕事を再開し、帰宅してからも普段通り生活することができます。
痛みの震源地が深いときは
「カテーテル治療」で撃退
モヤモヤ血管の治療法のうち、もう1つのカテーテル治療はどういうときに行なわれるのでしょうか。カテーテル治療の対象となるのは、(1)モヤモヤ血管が体の深いところに位置している場合、(2)炎症が非常に強くしぶとい場合、の2つが挙げられます。
例えば手首の動脈は皮膚の表面から1~2ミリという非常に浅いところにあります。