モヤモヤ血管を減らす方法には、動注治療という簡便な方法と、カテーテル治療という方法の2つがあります。
広い範囲を一気に安全に
治療できる「動注治療」とは
まずご紹介したいのは、動注治療という数分で終わる簡便な治療法です。動注治療の「動注」というのは「動脈注射」の略で、動脈に細い針を使って薬を流す治療です。
体の中の血液の流れは、動脈からモヤモヤ血管に流れ、そのあとに静脈に流れます。このため、上流に位置する動脈に薬を流せば、血液の流れに乗って下流にある痛みのモヤモヤ血管(患部)に薬を行き渡らせることができます。
例えば、指先の痛みを治療する場合は、その手前(心臓に近い側)にある手首の動脈から薬を流すことで、指先にモヤモヤ血管を減らす薬を届けられます。
また、かかとの痛みの原因である足底筋膜炎を治療しようと思ったら、その手前である足首から薬を流します。
このようにして従来の注射の方法(痛みの出ている患部に直接針を刺す)とは異なる方法で行なうことで、非常に優れた効果を発揮する治療となります。
では、動注治療にはどんな特徴があるのでしょうか?
動注治療で流す薬は正常な血管には害を及ぼしません。モヤモヤ血管のみに働きかけてそれらを減らしてくれるため、非常に安全に施術を行なうことができます。
この薬は、チエナムという商品名の昔からある抗生物質で、すでにたくさんの方が受けている実績があります。アレルギーが起こりにくく、これまでに1万5000人以上が動注治療を受けていますが、大きな副作用は認められていません。
例えば、指の痛みで困っている人でも、複数の指が痛むケースがあります。特にヘバーデン結節(編集部注/指の第一関節が変形し、曲がってしまう病気)の場合は、親指以外の4本が全部痛いという方も多いようです。