そういうところは体の表面から針を刺すことが容易です。しかし腰、股関節、首のような部位は4~5センチと深いところにあるため、体の表面から刺すことはほぼ不可能になります。そのような場合にはカテーテル治療という最新の治療を行なうことになります。

カテーテル治療では太さが0.6ミリの極細で長さ1メートル以上の柔らかいチューブを使って、手首や足のつけ根からチューブを入れて、腰や肩などの炎症がある場所まで血管の中を進めます。カテーテルは非常に柔らかい素材のため、血管を傷つける心配はありません。
また、たとえ患部が体の浅いところにあっても、炎症が非常に強い場合には、カテーテルでピンポイントに患部に近づいて、モヤモヤ血管を減らす方法が望ましいです。
例えば五十肩やテニス肘であれば、手首の血管から細いチューブで患部のすぐ近くまで進めて特殊な粒子を流すことで痛みの炎症を治療します。

このカテーテル治療は、日本でも今後は保険診療として認可されることが見込まれています。先にも述べたように、すでに海外の一部の国(アメリカやドイツなど)では保険適用になっていますので、私たちはこの治療が日本でも保険で認可され、負担が少なく日本の方にも受けていただくことを目指して現在治験の準備をしております。