「5000人の高齢者」を20年調査してわかった「病気を防ぐ歩き方」とは?【医師が解説】写真はイメージです Photo:PIXTA

健康長寿のためにウォーキングを日課にしている高齢者は多い。しかし、「漫然と歩いても病気は予防できない」と専門家は語る。5000人の高齢者を365日調査した結果、病気にならない歩き方として導き出された最適解とは?※本稿は、青柳幸利『すべての病気が防げる長生き歩き』(エクスナレッジ)の一部を抜粋・編集したものです。

足腰丈夫で長生き!
健康長寿の10カ条とは

 東京都健康長寿医療センター研究所が長期にわたって集めたデータを、さまざまな観点から分析してまとめられた結果に基づいて作成されたのが、下の「健康長寿の10カ条」です。

健康長寿の10カ条同書より転載 拡大画像表示

 第1条の「血清アルブミン」とは、血液中に見られるたんぱく質の一種です。血清アルブミン値は栄養状態を反映することが知られていて、食事で十分な栄養がとれていないと、この値は低くなります。血清アルブミン値の高い高齢者ほど、寿命は長いことがわかっています。

 第2条の血清総コレステロール値は死亡率と密接に関係していて、65~74歳では「高すぎず、低すぎず」(適正値は男女で異なる)の人の総死亡率がもっとも低いことがわかっています。しかし、75歳以上では男女とも血清総コレステロール値による死亡のリスクは低くなります。