第3条の「足腰が丈夫である」は、年をとればとるほど重要になってくる健康長寿の条件であるといえます。
具体的にいえば、歩行速度が落ちないように足腰の筋力を維持することです。
最近の研究では、歩行速度は将来の健康度や自立度に関係することがわかっています。速く歩ける高齢者ほど、知的活動や社会参加などの能力を含む日常生活機能が低下しにくいこと、また転倒や骨折、寝たきりになることも少なく、健康寿命が長くなる傾向があるようです。
「速く」「力強く」がポイント
強度を上げて筋力低下を防ぐ歩き方
歩行速度を落とさないためには、短距離型の筋肉を積極的に使うことが有効です。
しかし、ただ歩くだけでは短距離型の筋肉は使われません。この筋肉を使うためには、「速く」「力強く」を意識して歩くことがポイントです。
速さや力強さを意識して歩くと、運動強度が増します。このとき、体は酸素をたくさん取り入れようとします。
歩く速さをどんどん上げていくと、息が上がってハアハアしますね。それだけ、酸素をたくさん必要としているのです。下のグラフは運動強度を最大酸素摂取量(個人が摂取できる酸素の単位時間あたりの最大量)に対する割合で示しています。筋力を落とさないためには、運動強度を上げる必要があります。

速く歩くと運動強度が上がります。歩きながらなんとか会話できるくらいの速さは、中強度活動にあたります。健康長寿のためには、この中強度活動(速歩き)を日常生活に取り入れることが重要です。