「今日は何キロ走ったか」「どれくらいのカロリーを消費したか」など、進捗(しんちょく)を記録し、目に見える形で確認できるようにもしましょう。

 そして、その進捗を友人などに報告すると、何もしない場合に比べ、1.8倍の達成率になることがドミニカン大学のマシューズ(編集部注/ゲイル・マシューズ。心理学者)の研究で示されています。たとえば、ジョギングアプリを使って走った距離をグラフ化したり、カレンダーに運動した日をマークしたりすると、自分が積み重ねた成果が見え、やる気を維持しやすくなります。

 また、カナダ・西オンタリオ大学のバーキー(編集部注/ショーナ・M・バーキー。運動学者)らの研究でも、個人でやるよりも集団でやるほうが運動習慣が長続きするということがわかっています。同じ目標を持つ仲間と活動することで、互いに励まし合い、成果を共有することも効果的でしょう。1人では続かないけれど、誰かと一緒なら頑張れるものです。

すぐ手に入るご褒美が
先延ばしグセを断つカギ

 決断ができないとき、「めんどくさい」「やりたくない」と先延ばしにしてしまうことが往々にしてあります。でも大丈夫です。先延ばしグセを解決する方法もあります。

 スウェーデンのストックホルム大学のローゼンタール(編集部注/アレクサンダー・ローゼンタール。心理学者)とカールブリング(編集部注/パー・カールブリング。心理学者)は研究の結果、先延ばしグセの改善策を次のようにまとめています。

 (1)すぐに得られる喜びや報酬がある
 (2)他の行動の選択肢を減らす
 (3)失敗への不安を取り除く

 たとえば、「明日中に課題を終わらせないといけない」という場合を考えてみましょう。頭の中では、昼すぎから課題に取り掛かるつもりだったのに、昼ご飯を食べたらめんどうくさくなり、ダラダラと他のことをしてしまった――、似たようなケースは、みなさんも思い当たるのではないでしょうか?

 こうしたとき、(1)(2)(3)を取り入れてみようというのが、彼らの解決案です。

 たとえば、

(1)「すぐに得られる喜びや報酬がある」

→「課題を完成させたご褒美として、ケーキを食べる」などと報酬を設定することで、先延ばしを防ぐ方法