【初心者が陥りがちな投資信託のワナ(危険度★★★)】
分配金の利回りは、預貯金の金利と同じで高いほどイイ?

 日本では超低金利時代が長く続いたため、定期的に分配金がもらえる投資信託は人気が高い。しかし、分配金は預貯金の利子とは仕組みが異なるので注意したい。

 預貯金の利子は元本が保護された上で、決められた時期に必ず支払われる。一方、投資信託の分配金は支払いが約束されているわけではない。分配金の額も前回より減ることがあるし、最悪の場合、支払われないことすらある。

 また、投資信託は運用している資産から分配金を出すため、分配金を出すとその分だけ基準価額が下落する。分配金を受け取った後の基準価額が購入時の価格を下回っていた場合、それは元本を取り崩して分配金を出しているということだ。

 元本の取り崩しをせずに分配金を受け取りたいなら、運用成績に応じて分配金額が変わる「予想分配金提示型」の投資信託も選択肢の一つに入れるといいだろう。

【初心者が陥りがちなワナ(危険度★★★)】
退職金は全額投資に回さないと、老後資産を大きく増やせない?

「退職金が振り込まれた銀行で勧められて、退職金を全額、投資信託で運用している」という人は多いかもしれない。これは、定年まで投資経験がない人にありがちな行動だ。

 しかし、投資信託は元本保証ではないので、退職金の全額を投資信託で運用するのは危険だ。選ぶ商品や購入タイミングによっては、大きく資産を減らす可能性がある。退職した後は定期収入がなくなるため、資産を大きく減らさないことを最優先に考えなければならない。

 ベストな手は、退職金を3つに分けて管理することだ。まずは生活のためのお金を現金で確保。すぐは使わないものの、近い将来使う予定のある資金は、債券や金などを含む、リスクの低いバランス型などの投資信託で運用。余裕資金はインフレ対策として、株やリート型の投資信託で増やすことを検討してもいい。

 ただし、一度に全額を投資するのはNG。10回くらいに分けて買い付けるなど、リスクの低減を心掛けるようにしよう。

ダイヤモンド・ザイ NISA投信グランプリとは
ダイヤモンド・ザイでは1年に1回、「NISAで買える本当にイイ投資信託」を部門別にランキングし、上位のファンドを表彰している。人気や知名度ではなく、データを最重視した完全実力主義のアワードだ。「1.どれだけ上がったか(上昇率)、2.どんな時も下がらない(下がりにくさ)、3.ずっと優等生(成績の安定度)」の3つの独自基準で評価を行う。また、非常に人気があり多くのお金を集めているにもかかわらず成績が振るわない投資信託も、「もっとがんばりま賞」として発表している。

<ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2025>
[2025年]受賞投資信託30本一覧

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(番外編)インデックス型「最安ランキング」
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