総予測2025#48Photo by Nami Shitamoto

2024年はコンビニエンスストア業界の“序列”が揺らぐ年となった。店舗数、売上高で圧倒的な首位を維持してきたセブン-イレブンのみが国内事業で「減収減益」に陥ったのだ。コンビニ業界の重要指標である1日当たりの1店舗の売上高(全店平均日販)では、3位のローソンが2位のファミリーマートに並び、セブンを追撃している。実は、25年にはコンビニの経営環境のさらなる激変が予想されている。それはセブンの「稼ぎ頭商品」の不振に直撃するリスクもある。特集『総予測2025』の本稿では、独り負けに苦しむセブンを襲う新たな“逆風”について解説する。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)

ローソン、ファミマが並び
セブンだけが減収減益に

「独り負け」。日本でコンビニエンスストアのビジネスモデルを確立してきたセブン-イレブンが苦戦している。

 2024年3~8月期決算で、国内事業の営業収益が前年同期比1.8%減の4623億円、営業利益が同7.8%減の1277億円の「減収減益」となったのだ。

 一方、ローソンの24年3~8月期の営業収益は前年同期比4.9%増の5721億円、事業利益は同3.4%増の548億円。ファミリーマートの営業収益は前年同期比1.4%減の2575億円となったものの、事業利益は同0.1%増の517億円とほぼ横ばいだった。つまり、コンビニ大手3社の中でセブンだけが大きく落ち込んでいるのである。

 もちろん、1日当たりの1店舗の売上高(全店平均日販)では、セブンはいまだ圧倒的な首位を維持している。24年3~8月期の平均日販は69万9000円となり、ローソンとファミリーマートが差を縮めつつあるものの、日販を12万円以上も引き離している(下図参照)。

では、圧倒的な“王者”はなぜ変調したのか。次のページでは、ダイヤモンド編集部が入手した内部資料をもとに、セブンの独り負けの一因を解説する。さらに、25年のコンビニの経営環境はさらなる激変が予想される。それは、セブンの勝ち筋でもあった「稼ぎ頭商品」の変調を招きかねない。セブンを襲う新たな逆風とは?