男女別学は時代に逆行?
男子校は需要過多で激戦

 いまは難関の共学校として知られている学校、たとえば、早稲田実業学校、渋谷教育学園渋谷、明治大学明治、中央大学附属、法政大学、広尾学園、広尾学園小石川、開智日本橋、東京都市大学等々力…これらの学校はもともと男女別学校でした。

 なぜ、共学化がこれほど加速しているのでしょうか。

 その要因として考えられるのは、男女共同参画社会が叫ばれて久しい現代に「男女別学」は逆行していると世間から見られている点です。

「社会は男女で構成されているのだから、多感な中高時代は男女同じ学び舎で過ごすのが望ましい」という価値観が醸成された結果、全体的に男女別学校の受験者が激減した時もありました。

 このままでは学校の存続自体が危ぶまれると考え、共学化に踏み切ったところがたくさんあります。

 それでは、男女別学校は社会的にその使命を終えようとしているのでしょうか。

 わたしはそうは思いません。むしろ、ここ最近は男女別学人気が盛り返しており、特に数の少ない男子校にいたっては「需要過多」、多くの男子校で激戦の入試が繰り広げられています。

 なぜ、男女別学にふたたび目が向けられるようになったのでしょうか。ここで男女別学の魅力について説明しましょう。

 男女別学に長く通っているとジェンダーバイアスを持ってしまいそうに感じます。確かにそういう側面はあるかもしれません。

 しかしながら、「男だけ」「女だけ」という環境に置かれることで、性差から解放される6年を過ごすことになるという面もあります。

女子校・男子校出身者が語る
濃い人間関係の魅力

 ある女子校出身の人たちはこう証言します。

「共学だとクラスで目立つのは、外見も良くて元気な人たちになるのかもしれませんが、女子校はその人が『面白い人物』であることが大切です」

「『女だから』という言い訳は通用しない環境で過ごしていると、大学に入学してから、男子に甘えること、たとえば、重い荷物を持ってもらうなど…。そういう光景に違和感を抱きます」