男子校卒業生はこんなことを話します。
「男子校はオタクが安心してよりオタク化できるところです。たとえば、何かに熱中しているのって、その分野によっては女子から気持ち悪いと思われてしまうじゃないですか。ところが、男子校は何かに秀でている人が称賛されやすい環境だと思うのです」
単純化して申し上げると、男女別学の在校生たちは「男と男」「女と女」ではなく、「人間と人間」の付き合いになるのです。
大人になっても中高時代の友人たちといつまでも仲良くしているのは男女別学出身者が多いように感じるのは、こういう濃い人間関係を築いてきたからでしょう。
もちろん、その「濃さ」がゆえに、友人との摩擦が起こりやすい環境にもあると考えますし、実際に男女別学ならではのことだと感じるようなトラブルを耳にすることもあります。
いずれにせよ、保護者は「共学」「男女別学」双方の説明会や学校行事に参加し、先入観をいったん排してわが子の志望校を考えたほうが良いでしょう。
わが子の志望校を選ぶ際、保護者は往々にしてその学校の校風を知ろうとします。私立中高一貫校は独自の校風(気風)を有し、それも大きな魅力なのです。
「わが子に合った校風」が
必ずしも正解ではない
さて、保護者の多くは「わが子の性格に合った校風」の学校を探そうとするものです。しかし、本当に「わが子に合った校風」を希求するのが志望校選びに欠かせない条件となるのでしょうか。
たとえば、性格的にちょっとだらしなく、お尻を叩かれないとなかなか行動に移せない男の子がいるとしましょう。そうすると、保護者は厳格で日々の勉強や行動までしっかり管理してくれるような学校が良いと考えるでしょう。