中学受験のプロが断言!夏休み後の子どもに「絶対言ってはいけないNGワード」とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

中学受験が加熱するなか「まだ小さいのにお受験なんてかわいそう」という意見もあるが、日々懸命に勉強する子どもたちを見ている受験指導のプロはどのように感じているのか。そして、なかなか偏差値が上がらない子どもに、親が絶対言ってはいけない「呪いの言葉」とは。※本稿は、矢野耕平(著)、ぴよととなつき(マンガ)『中学受験のリアル マンガでわかる 志望校への合格マップ』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。

成績アップで「ご褒美」は
中学受験に効果あり?なし?

「ねえ、今度のテストでクラスアップしたら、ゲームを買ってもらっても良い?」

「明日の模擬試験で偏差値60以上取ったら、遊園地に連れていって!」

 こんな約束をわが子と交わしたことのある保護者はいらっしゃいますか。

 わたしは勉強面の数値的成果で「ご褒美」を与えないほうが無難だと考えています。確かに、「ご褒美」があることで、短期的にはやる気につながるという側面は否定しません。保護者がその加減を上手く調整できれば功を奏すことだってあるでしょう。

 しかし、「褒美」というのは、将軍などの「偉い人」が手下、部下の功績を称えて「褒賞を与えること」を指します。褒賞を与えるのは、その将軍の役に立ったからですよね。

 これを中学受験に置き換えてみましょう。

 わが子の成績が良くなった、クラスアップした…これって親のためでしょうか?違いますよね。中学受験の主役はわが子です。

 ですから、成績に応じて褒美をとらせるのは、無意識のうちに「親のため」の中学受験とすり替えてしまう危険性があるのです。