わたしはかつて『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文藝春秋)というルポルタージュを上梓し、その下準備として総勢100名を超えるこの6校の卒業生に取材をしました。
そのときに、たとえば麻布なら麻布らしい、雙葉なら雙葉らしい一脈通じた「何か」を卒業生たちが身にまとっているように感じたのです。
そういえば、「令和ロマン」というお笑いコンビがいます。この令和ロマンのお2人はそれぞれ、本郷と桐朋という男子校のご出身です。2人とも中学受験を経て中高一貫校に6年間通学し、大学のサークルで出会ってコンビを結成しました。
この令和ロマンの2名がそれぞれの母校の文化祭で漫才などを披露する機会がありましたが、その動画を視聴すると、同じ男子校でも両校の差がくっきりと浮かび上がってきます。

校風の分類はなかなか困難であると申し上げましたが、それでも、その学校に6年間在学することで何かしらの「色」に染まっていくのでしょう。
保護者の皆さんはわが子の表情や言動に日々触れる中で、どんな大人になってほしいと願うでしょうか。学校見学会や文化祭などで在校生の姿を目にしたとき、彼ら彼女たちの姿にわが子を重ねてください。
その際に、「ああ、この学校でウチの子が6年間過ごせたら良いな」と直感的に思えれば、その学校は志望するに値するのだとわたしは考えます。