2017年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの魔法』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの魔法Photo: Adobe Stock

人生を楽しむことができた人は、全員、「観音様の化身」らしい

 お釈迦様は、2500年前に「経・律・論」という「三蔵」を教えとして残しました。

 それを700年くらいかけて、弟子たちが漢訳したものを「一切経」、あるいは「大蔵経」といいます。

 そして、この三蔵をすべて修めた人を、「三蔵法師」と言います(三蔵法師は何十人もいるそうです)。

 一人目が「玄奘」という人で、物語の「西遊記」のモデルになりました。

 日本にも、「一切経」を読み込んだ人が何十人かいます。私はこのうちの3人に出会ったことがあります。

 その3人が3人とも「いちばんおもしろい」と言ったお経が、なんと同じものだったのです。

 この3人が挙げたお経は、「観音経」というものです。「観音経」には、このような一節があります(起承転結は、私がつけたもので、このように分けられているわけではありません)。

・【起】
 今、私たちの目の前に、子どもが楽しそうに遊んでいる。遊んでいる子どもたちの姿を人間だと思って、私たちは見ている。じつは、観音様というのは変装の名人で、33の化身を持つ。子どもの姿も、その33の化身のひとつで、楽しそうに遊んでいる子どもというのは、観音様の化身かもしれない

・【承】
 この楽しそうに遊んでいる子どもたちは、「観音様の化身かもしれない」ではなく、観音様そのものである

・【転】
 それを笑顔で楽しそうに見ている私も、観音様の化身かもしれない

・【結】
 それを笑顔で楽しそうに見ている私は、「観音様の化身かもしれない」ではなく、観音様そのものである

 すごいお話です。楽しげに遊んでいる人たちは、この「観音経」によると、全員、「観音様の化身」らしいのです。

 その楽しげに遊んでいる人を見ている「私」が、楽しくて幸せになった瞬間に、「私」自身も観音様の化身になったということです。

 向こうにいる神様、仏様、観音様は、みんなが楽しそうに過ごしているところを上から見通していて、「自分も、ときどき、楽しみに行こうかな」と思うらしいのです。そして、人間の姿になって、この人間社会を楽しみにきているというのです。

 私たちは、人間社会に修行に来たのではないようです。喜び、楽しむために生まれてきた。ですから、楽しみを味わうことができた人は、「観音様の化身」なのかもしれません。人生を最大に楽しむための大きなキーワードが「3つ」あります。

 この3つを実践すると、奥の奥まで人生を楽しんで、もっと楽しめるようになるらしいのです。そのキーワードは、「そ」(掃除)と、「わ」(笑い)と、「か」(感謝)

・「トイレ掃除」をすると、お金に困らないらしい
・「笑う」と、体が丈夫になるらしい
・「感謝」をすると(「ありがとう」を言うと)、まわりが味方になってくれるらしい

 私は、それぞれの頭文字を取って、「そ・わ・かの法則」と名付けました。これが、40年間、宇宙の現象を見続けてきた、私の結論です。