大江:となると、プレッシャーにも「程よい負荷」というものがあるのでしょうか。
野口:いえ、それはまだわかりませんが、多分、程よい負荷をかけるのがいいのだとは思います。筋トレはいい例で、今の状態にはこれくらいの負荷がいいとトレーナーさんが見てくれますよね。トレーニングによって筋肉はダメージを受けるけれど、適度な栄養と休息で回復して強くなっていくというのが、筋トレを例にするとわかりやすいんです。

大江:体を壊さないためには自分に適した重さでトレーニングするのがいいという考え方もありますね。だから、この程度なら無理はないという程よい負荷というものがきっとあるのだろうと思います。
野口:心にも程よい負荷というものがあるのかもしれませんが、それは見えにくい。たとえば大変だと思ってもなんとか乗り越えることができて、その日の夜にはおいしい酒が飲めてよく眠れるというレベルであればいいわけです。けれども、乗り越えたとしても食事も楽しめず、胃に穴を開けてしまうというレベルになると、サステナブルかどうかという観点では明確に違いますね。
どれぐらいが程よいプレッシャーなのかを知るのはとても難しいことだとは思いますが、これから探っていかないといけないことだと思います。