米国では、かつてないほど多くの大人が自閉症を抱えている。しかも子どもの頃ではなく、もっと後になってから診断された人が多い。18歳を過ぎてから自閉症と診断された人数についてのデータはないが、臨床心理学者によると、自閉症の検査を受ける大人は10年前より多い。「毎週、大人から問い合わせがある」。マウントサイナイ・アイカーン医科大学(ニューヨーク)のシーバー自閉症研究治療センターで主任心理学者を務めるペイジ・サイパー氏はそう話す。2023年に学術誌「JAMAサイカイアトリー」で発表されたメディケイド(低所得者向け医療保険制度)のデータの分析によると、18歳以上の自閉症者は2011年には1000人当たり4.2人だったが、2019年には同9.5人となり、2倍以上に増えた。
米国で「自閉症」と診断される大人が増えた理由
関心の高まりと自閉症の定義拡大で
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