米アップルは9日、同日に開幕した年次開発者会議「WWDC」で人工知能(AI)関連のさまざまな新機能・サービスを発表した。だが、サードパーティーのアプリ開発者の一部は冷ややかな反応を示すにとどまった。テクノロジー業界がAI主導のイノベーション(技術革新)を猛スピードで追求する中、アップルのAI分野の取り組みは遅く、期待外れとなっている。特に同社が実現を約束したビジョンと比べると物足りない。開発者らは、今年のWWDCでの発表内容(アプリ開発者が端末上でアップルの小規模なAIモデルを使用できるツールなど)が、こうした状況を大きく変えるとは考えていない。AI搭載の個人向け金融アプリを手掛けるオリジン(Origin)のアトゥル・カッカー最高製品責任者(CPO)は「アプリ開発者として、アップルがリリースするものにそれほど興奮を覚えない」と述べた。