「犯行のタイミング」にも理由があった!

 駐車場は隣家に接しているが、高いブロック塀で遮られているため隣家の1階から駐車スペースの車や、その向こうのリサイクルショップを見ることはできない。

 隣家の2階は駐車場側に窓があるもののごく小さいサイズなので、やはり向かいのリサイクルショップを見ることはないだろう。ましてや真下の駐車場に視線が向けられることはない。

 では、同じ建物内の不動産会社からの視線はなかったのだろうか?

 実は犯行時間の1時間以上前の18時には営業が終了していた。

 犯行時のリサイクルショッは、隣家からも不動産会社からも、視覚的に切り離された「見えにくい場所」になっていたのだ。

「上流の対策」と「下流の対策」の二刀流で身を守る

 したたかで狡猾な犯罪者に対抗する術として参考になるのが水害対策だ。

 水害対策が「ダムをつくる=上流の対策」「堤防をつくる=下流の対策」に分けられるように、「上流=情報管理」と「下流=自宅の守り」に分けて対策を考えていくのだ。

 ピンポイント強盗、特殊詐欺など現代型の犯罪から身を守るには、上流を堰き止めて河川流量(個人情報の漏洩)を干上がらせる必要がある。

 身辺の情報管理が上流の対策であるのに対し、自宅の防犯性を高めるのが下流の対策となる。

 犯罪発生現場の共通点が「入りやすく見えにくい場所」なのだから、その対極の「入りにくく見えやすい場所」にする工夫を施していくことが有効だ。