
近年多発している強盗事件。犯罪学が専門の小宮信夫氏は、犯罪者が狙いをつける家には、共通点があるといいます。自分や大切な家族を守るためには、どうすればよいのか。新刊『最新防犯理論が解き明かす 犯罪者が目をつける「家」』(青春出版社刊)から、犯罪者が狙う家の特徴と防犯対策について、抜粋して紹介します。
犯罪を引き寄せる理由は「場所」にある
安全と思われていた日本で、近年、強盗事件が多発している。狙われるのは資産家だけだと思いきや、一般家庭も被害に遭っている。
なかには金品を奪われるだけでなく、暴行を受けたケースもあり、不安を募らせている人も少なくないだろう。
こうした被害に遭わないために、何に注意を払うべきなのか?
それは「場所」である。
犯罪が起きる「場所」には共通点がある。
犯罪は人が起こすものではある。だが、どれだけ熟達した犯罪者でも、適した「場所」がなければ犯行には及ばない。犯罪者は「場所」に制御される。
私はこれまで、犯罪に巻き込まれないためには、いち早く危険な場所を見抜き、そこを避ける方法が大事だと訴えてきた。
しかし今は、犯罪者たちが「家」、つまり私たちを狙ってくる時代である。危険な場所を避けるだけでは済まされない。
そこで身を守るヒントとなるのが、犯罪が起こる場所の共通点を知ることだ。
キーワードは「入りやすく見えにくい」
犯罪が発生する場所は「入りやすく見えにくい」。この2つの条件を満たしている。
犯罪被害に遭ってしまったら、世に店舗や住居は数多あるにもかかわらず、なぜうちが狙われたのかと、突然の不運を嘆くことだろう。