米中貿易戦争において、ドナルド・トランプ大統領と習近平国家主席は共に、緊張を高めてから緩和するという戦略を採っている。これは危険な戦略だが、うまくいくことがある。今週、ロンドンで両大国の協議が実現したのが一例だ。だが、この戦略は長期的な休戦にはつながりそうもない。ほんの数日前まで、米中の経済関係は再び決裂に向かっているように見え、先月の暫定合意が崩壊する恐れがあった。中国は米国による華為技術(ファーウェイ)を標的とした警告に反発し、米国の自動車メーカーや防衛関連企業向けのレアアース(希土類)供給をほぼ停止した。米国はこれに対抗し、中国が切実に必要とするジェットエンジンなどの製品の販売を禁止するという強硬手段に出た。