
もし自分の息子や娘がフジテレビに内定し、「入社したい」と言ってきたら、あなたは賛成しますか?それとも反対しますか?リクルート事件を経験した著者が、フジテレビという企業を題材に、不祥事を起こした企業に入社することの是非を考えました。(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山 進、構成/ライター 奥田由意)
不祥事企業への入社するメリット・デメリット
もし自分の息子や娘がフジテレビに内定し、「入社したい」と言ってきたら、賛成すべきか。反対すべきか。
80年代から90年代にかけて、日本のテレビ界をリードしてきたフジテレビだが、自社のアナウンサーに対する著名タレントの性加害問題をめぐって存続の危機とも言えるほどの窮地に陥っている。そこで、今のフジテレビを題材に不祥事を起こした企業に入社することの是非を考える思考実験をする。
不祥事を経験した企業に入社することは、一定のリスクが伴う一方で、キャリア上のチャンスともなりうる。以下に、一般的なメリットとデメリットを整理する。
メリット
● 変革期への参加:再建過程にある組織では、若手にも大きな裁量が与えられやすく、早期成長のチャンスがある。
● ポストの空白:幹部層が離脱している場合、若手が重要なポジションを担いやすい。
● 再生経験の価値:不安定な現場を立て直す経験は、将来のキャリアで希少な武器となる。
デメリット
● レピュテーションリスク:企業の評判が低下していると、業界内外での信頼確保が難しくなる。
● 将来性の不透明さ:再建が失敗すれば給与・待遇面の悪化、雇用の不安定化に直結する。
● 士気の低下:現場のモチベーションが落ち、職場環境も劣化する可能性がある。