「こりゃトヨタ記念日だな…」6月10日に重なった3つの“歴史的決断”とは?6月10日はトヨタ自動車の象徴的なイベントが重なった Photo:JIJI

豊田自動織機に日野自動車
トヨタグループの再編が進む

 2025年6月10日。この日は、まさしく「トヨタデー」となった。

 まず、トヨタ自動車の源流企業である豊田自動織機が、午前10時から株主総会を開いた。

 同社は、トヨタグループ15社が出資するトヨタ不動産(旧東和不動産)と豊田章男トヨタ会長が共同で設立する持ち株会社による買収を受け入れて、非上場化することを決めている。豊田自動織機の伊藤浩一社長は、この非上場化で「短期的な成果や単純な収益拡大にとらわれず、もっと大胆にスピード感のある取り組みを進める」ことを株主総会の場で強調した。

 豊田自動織機の買収に当たっては、豊田章男氏とトヨタ不動産以外にも、トヨタ本体が議決権のない優先株で持ち株会社に出資する。さらに、持ち株会社の傘下に設ける特別目的会社(SPC)に三菱UFJ銀行など金融機関が融資を行い、SPCを通じて買収を行う計画だ。買収総額は約4兆7000億円で、TOB(株式公開買い付け)は12月に実施し、想定通りに計画が進めば26年2月以降に豊田自動織機は株式市場から退出することになる。

 豊田自動織機は、トヨタの始祖で豊田章男氏の曽祖父に当たる豊田佐吉氏が1926年に創立している。33年に設けた同社の自動車部が、その後独立したのがトヨタ自動車だ。その経緯から、現在もトヨタ株の9%を保有し、トヨタグループにおける“大株主”の立ち位置にある。

 豊田自動織機の株式非公開化は、トヨタがグループの資本関係の見直し・再編に乗り出したということを意味する。