
日産が約6700億円の巨額赤字
自力再建は可能か
ホンダの三部敏宏社長は5月13日、2025年3月期決算発表会見で日産自動車との経営統合について改めて見解を示した。
「(統合は)白紙の状態。だが、昨年8月に合意した戦略的パートナーシップは、三菱自動車工業を含めて検討が進んでいる。いずれにせよ日産との統合の話は当分ないが、協業のメリットを出すことに集中して新たな成長の方向を見いだしていきたい」
統合は当分ないと微妙な否定をしつつも、日産と三菱自を含めた3社の協業メリットへの意欲を示した。
一方、4月から日産の新社長兼CEOに就任したイヴァン・エスピノーサ氏は、13日に横浜本社で初めての決算発表会見に臨んだ。業績不振にあえぐ日産だが、25年3月期は、工場の稼働率低下に伴う資産価値の見直しによる減損処理とリストラ費用の積み上げによって、最終損益が6709億円の赤字となったと発表した。
これは、仏ルノーの日産救済が話題となった00年3月期の6843億円の赤字に匹敵する巨額損失だ。前期の4266億円の黒字に対し、25年3月期はすでに中間決算で赤字に転落。通期で800億円の赤字見込みだったが、結果的には過去最大級の赤字計上という苦しい結果となった。年間配当はゼロとなり、4年ぶりの無配に転落する。
巨額赤字と合わせ日産が公表したのが、大胆に踏み込んだリストラ策だ。日産は、新たな再建計画「Re:Nissan」を発表した。