「なんちゃってMBTI」に要注意

 一方で、注意点もあります。ネット上の性格診断には、実際には「MBTI」と無関係なのに、関連があるかのように誤解させるものが少なくないのです。

 MBTIとは「Myers-Briggs Type Indicator(マイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標)」の略で、心理学者カール・ユングのタイプ論をベースに、米国人の母娘(イザベル・ブリッグス・マイヤーズとキャサリン・ブリッグス)が開発した性格検査です。

 日本MBTI協会は「ユングのタイプ論をおもしろおかしく掲載しているホームページ」について、以下のように警鐘を鳴らしています

《MBTIとは全く別のもので、質問も結果の出し方も、正式なMBTIとは全く異なります。しかし、ISTJやENFPなど、アルファベットをつかってタイプを表しているのは、MBTIをまねたもののため、皆さんが勘違いしてしまうのも無理はありません》
《弊協会には、いくつかのサイトをみて、「私のタイプは自殺しやすいタイプとかかれていて、不眠症になった」、「将来このタイプだと貧乏になるといわれ、絶望している」や、「自分のタイプは悪い母親になるといわれ、ショックから抜け出せない」と号泣されながら電話してこられるかたなど、跡(原文ママ)を絶ちません。もし皆さんのなかにそのようなサイトや動画を作られている方がいたり、あなた自身がサイトや動画のクリエイターの場合には、状況をご理解いただき、速やかなる対応をお願い致します》

 また、性格診断を信じ込むと、逆に人間の可能性を狭めてしまう落とし穴もあります。

 例えば、「自分は内向的だから営業には向いてない」と決めつける、「あの人は思考型だから冷たい人だ」などとレッテルを貼るケース。こうなると、人間の行動や成長の余地が奪われてしまうのです。

 冷静に考えると、どんな性格診断も、受ける度に結果が変わることも少なくありません。なぜなら、人間は経験によって変化し続ける存在だからです。