舌の位置をセルフチェックする方法

 では、あなたの舌の位置が正しい位置にあるか、セルフチェックしてみましょう。口を閉じて唾液をゴクンと飲み込んでください。その時の舌の位置が、本来あるべき位置です。つまり、舌の先端は上の前歯の根本付近にあり、舌の表面は全体的に上アゴにくっ付いているのが、医学的に正常な位置です。

 ちなみに、その状態で上下の歯は接触していますか?通常、上下の歯は2~3mmの隙間がありますが、もし上下の歯が当たっていたら「歯列接触」という悪い癖(口腔悪習癖)です。この癖があるとアゴが痛くなったり開かなくなったりする「顎関節症」のリスクが2倍以上になります。

 また、そのまま鏡を見て唇の角(口角)に連続して外側にしわが寄っていたら、歯ぎしりなどで歯の長さが短くなっている可能性があります。気になる人はすぐに歯科医院で相談してください。

 舌が正常な位置にない場合、多くの人は舌の重量(約150g)によって舌が低い位置、下アゴに落ちています。これを「低位舌」といいます。

 低位舌になると下の歯の形が舌に印記されるので、本来の丸い形ではなくギザギザした形の舌になります。また、口の中を押し下げるので、下アゴの下が膨れてしまいます。このせいで二重アゴに見えるのです。

 まとめると、太っていないのに横顔で二重アゴの人は、低位舌の可能性があります。特に下アゴが小さく、アゴが尖って見える人は、アゴの下に脂肪が付きやすく二重アゴが目立ちます。低位舌の人は「食べる」「飲み込む」「話す」などの口腔機能が低下していて、皮膚がたるみやすいので、さらに二重アゴが助長されます。

外見以上に怖い健康への影響

 低位舌で怖いのが健康への影響です。鼻呼吸ではなく、口呼吸になっているケースがかなり多いです。口呼吸は鼻呼吸に比べて酸素の取り込み量が10%減ります。口腔内の乾燥を招くので、唾液に含まれる抗菌、殺菌、洗浄作用が弱くなり、むし歯や歯周病につながります。唾液には免疫作用もありますが、これも弱くなり、風邪やインフルエンザ、新型コロナなどの感染症にかかりやすくなります。