人との「質の高いつながり」がもたらす好循環
一流の人たちが高級会員制クラブでの出会いを大切にするのは、単なるビジネスのためだけではありません。
共通の価値観や世界観をもつ人々と出会うことで、自分の視野が広がり、思考の質そのものが高まるからです。
つまり、「誰とつながるか」は、「自分がどんな人間になれるか」に直結しています。環境や人間関係は、自分の言動や習慣にも大きな影響を与えます。
逆に言えば、よい環境に身を置き、自分自身の在り方を磨くことで、結果的に周囲との関係も変わっていくのです。
「紹介したくなる人」になる努力を
高級クラブの会員たちに共通しているのは、「また会いたくなる魅力」を持っていること。それは必ずしも話術や外見のことではなく、「信頼される振る舞い」や「役に立つ人であろうとする姿勢」によるものです。
「この人なら誰かに紹介しても安心だ」と思ってもらえる存在になることが、人脈を広げる最大のポイントです。
どんな仕事でも、最終的には“人”が選ばれる時代。「紹介したくなる人」になる努力は、何よりもコストパフォーマンスの高い自己投資といえるでしょう。
特別な場所に行かなくても、人脈力は鍛えられる
もちろん、高級クラブに通わなくても人脈を育てることは可能です。たとえば、異業種交流会や勉強会に参加する、SNSで自分の専門性を発信する、紹介をきっかけに定期的に1対1で会ってみるなど、身近な方法はいくらでもあります。
大事なのは、ただ「名刺を交換する」のではなく、「会話のなかで相手に価値を提供する」こと。情報や気づきをシェアし、相手が「この人と話すと得をする」と思ってくれれば、自然と信頼関係が築かれていきます。
「人に会うこと」を後回しにしない
忙しさを理由に、人との交流を後回しにしてしまう人は少なくありません。しかし、どれだけSNSで発信していても、やはりリアルな場で顔を合わせることには特別な力があります。
「誰かに会いに行く」「雑談を交わす」「何気ない会食を共にする」――そうした時間は、短期的には利益につながらないように思えるかもしれませんが、長い目で見れば確実に“仕事の種”になります。
あなたが選ばれる人になるために
高級クラブに出入りする一流の人々は、「どの場に身を置き」「誰とつながるか」を真剣に選びます。そして、その選ばれる存在であるために、日々自分を磨き続けています。
私たちも、環境や立場は違えど、「人とのつながりに投資する姿勢」を真似することはできます。目先の成果ばかりを追うのではなく、長期的な信頼と関係性を育てる――それこそが、人生や仕事を豊かにしてくれる最大の資産なのです。
※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。