「幸せすぎると人は弱くなる」その理由と、負の力の活かし方
誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)など、33万部突破シリーズの原点となった『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!

ツラい時期こそ自分を強くするチャンスと精神科医が断言するワケPhoto: Adobe Stock

不幸からエネルギーを得る可能性

今日は、人が不幸からエネルギーを得ることもあるというテーマでお話しします。

人間は、あまりに幸せすぎると、自分自身のエネルギーが枯渇していくことがあります

まるでキリスト教で楽園とされる「エデンの園」で生活しているかのように、幸せな状態に慣れてしまうと、ふんわりとした感覚になりがちです。

一方で、うまくいかない時期や理不尽な時期、試練の時といった良くない時期から、実はエネルギーを得ることが可能です

困難な時期とエネルギーの転換

このような困難な時期に無理に戦う必要はありませんが、そのときに抱く鬱屈した思いや、「こうしたい」「ああしたい」「これは嫌だ」という「ノー」の力は、負のエネルギーそのものです。

しかし、この負のエネルギーを転換させ、プラスに発展させることができるのです。

この転換された力は、ストレスや不幸がない状態よりも、実はより強いエネルギーとなります

不幸から生まれる強い意志

幸せな状態での「何かをしたい」という気持ちは、すでに満たされているため「やってもやらなくてもいいこと」として考えられがちです。

しかし、自分が不幸なときに「こうしたい」と強く思うエネルギーは、頭の中で「絶対にこうしてやる」という強い意思に他なりません

これは「これだけは絶対にやっておきたい」という、非常に強いエネルギーへと転換されるのです

不幸な時期の捉え方と個人的経験

不幸な時期だけ切りとると、嫌で仕方がないものです。

しかし、そのときに嫌な思いをたくさんしているからこそ不幸なのであり、それは貯めておくことで将来の方向性を生み出す源となるのです。

私自身も、嫌な時期やツラい時期を経験しましたが、それらの経験が創作活動の元ネタになっています

最近は幸せすぎると感じており、逆に「どうしよう」と思うこともあるほどです。

未来のモチベーションへの転換

もしあなたが今、悔しさや理不尽さで嫌な状態にあるのであれば、それはあなたのエネルギーを貯金しているところであり、今後の人生の方向性を決めている時期だと考えてみてください。

そう考えることで、悔しくて仕方がないという気持ちが、あなたの将来のモチベーション、つまり方向性を今まさに決めているのだと思えば、なんとかやりくりができるのではないでしょうか

そして実際に、そうした不満や不遇な経験は、あなたの力になり得ます

もしここで変な方向に転換させてしまうと、ただ「不幸だった」「嫌だった」「恨む」「憎む」だけで終わってしまいます。

しかし、あなたが嫌な思いをしながら「こうしたい」「これは嫌だ」と強く思った気持ちは、決して忘れないでください。それがあなたの将来を切り開く原動力となるでしょう。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。