「やったほうがいいかな…」が一番ダメ!真面目な人が陥る“時間と信頼のムダづかい”
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【精神科医が警鐘】「嫌われたくないから」と中途半端に引き受ける人が失うことPhoto: Adobe Stock

やりたくないことを“中途半端にやらない”という選択

今日は「やりたくないことを中途半端にやらない」というテーマでお話ししたいと思います。

やりたいこと・やりたくないこと・どちらでもないこと

世の中には、「やりたいこと」「やりたくないこと」、そして「どちらでもいいこと」がありますよね。

その中で、「やりたくない」と自分でわかっていることについて、少し掘り下げてみたいと思います。

もちろん、仕事など「やらざるを得ないこと」は別です。でも、そうではない、自由に選べる状況において、やりたくないのに「断るのも悪いしな……」「嫌な人だと思われたくないな……」といった気持ちから、なんとなく手をつけてしまうこと、ありませんか?

中途半端がいちばんもったいない

こういう「他人軸」の判断で、やりたくないことを中途半端にやってしまうのが、一番よくありません。

少しだけ関わってみたり、軽く手を出してしまうと、エネルギーも時間も消耗します。しかも、それが何にもつながらないのです。

もし「やる」と決めたのであれば、「せっかくやるのだから何かに活かそう」と意識して、しっかり取り組んだ方がいい。けれども、「嫌われたくない」などのぼんやりした理由でやり始めると、やる気が続きませんし、成果も出ません。

結果的に、それは完全に「エネルギーと時間のムダ遣い」になってしまいます。

最初から「やらない」と決める勇気

ですから、「これはやりたくないことだな」と思った時点で、最初から「やらない」とはっきり決めたほうがいいのです。

実はそれが他人軸の観点から見ても、意外と嫌われないことが多いのです。

最初になんとなく引き受けてしまうと、相手は「そんなに嫌じゃないんだな」と思ってしまいます。ところが、途中でやる気がなくなってきて、消極的な態度が出てくると、「それなら最初から断ってくれればよかったのに!」と、かえって相手を怒らせてしまうことにもなりかねません。

やる気のないまま続けることも、自分にとっても相手にとっても、良い結果を生みません。

途中で「やりたくない」と気づいたら、引き返してもいい

やりたくないかどうかって、最初からはっきりわかるとは限りません。

やってみて「これは本当にやりたくないことだった」と気づくこともあります。

でも、それに気づいたタイミングでやめるのは、決して遅くありません。

むしろ、そこからきっぱり「やらない」と決めてしまったほうが、誰にも迷惑をかけずに済みます。

中途半端にやると、結局みんなが困る

「断りにくいから」といって中途半端に引き受けてしまうと、結果的にすべてが中途半端になり、自分の信用や評価を落とすことにもなりかねません。

それなら最初から関わらない、あるいは途中でもやめる――そのほうがはるかに建設的です。

真面目な人ほどやりがちな“悪いバランス感覚”

特に真面目な人ほど、「バランス感覚」というものに振り回されやすい傾向があります。

「ちょっとはやっておいたほうがいいかな」と思ってしまいがちですが、実際にはその“ちょっと”が、トータルで見ると悪いバランスを生んでしまっていることも多いのです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。