
技術の進化に伴い、ビジネスを取り巻く環境が大きく変化する中で、リーダーは時に“専門外”の分野においてもチームをまとめ、成果を出すことが求められます。その領域において“素人”の状態でも周りから信頼されるリーダーは、何をしているのでしょうか。(ギックス共同創業者 田中耕比古)
「やったことがない領域」で
リーダーを任されたらどうする?
「ちょっと、この領域は詳しくないのですが……」
「すみません。このあたり、知見がないので教えていただきたいのですが……」
詳しくないと言いながら、気づけば会話の主導権を取り、議論の核心を突き、チームを動かしてしまう――そんな“素人状態”のまま信頼を得てしまうリーダー、あなたは見たことがありませんか?
こうした人が率いるチームは、メンバー一人一人の力をうまく引き出し、問題が起こる前にそれを防ぎ、ビジネス上の成果をしっかりと出していきます。
こういうリーダーは、果たして、何が違うのでしょうか。
DX、AI、UI/UX、リテールメディア……ここ数年で注目されてきた新しい言葉はたくさんあります。
もう少し前なら、ビッグデータとか、アジャイルとか、そういう言葉も「新しい言葉」として注目されました。
こうした新しい言葉は、当然ながら、新しい業務に結びつきます。
つまり「やったことがない領域の仕事」に触れる機会が訪れるわけです。
少し前にVUCAという言葉がはやりました。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉で、「世の中の急激な変化によって、将来予測が困難になっている」ことを指します。
確かに、ほんの2~3年前までは生成AIはそこまで注目されていませんでしたが、現在は、文字通り、日進月歩で実用性が高まっています。
そうした状況下で「さぁ、今日から新しいことをやるチームを、リーダーとして率いてください」と言われたときに、どのように振る舞うべきなのでしょうか。