スカウトのコツは財布に余裕がある“ふり”

開沼 ご自身でスカウトをされていますが、持続的にスカウトを行う“コツ”があるわけですか?

杉坂 マメにやることと焦らないこと。焦ったらおしまいですね。どんなに胃が痛くても、外に出たら財布は厚めに、余裕のある感じでやってましたし。会社にベンツを3台持ってるところもありますよ。20代のぺーぺーのヤツが、会社に「今日、○○のキャバ嬢とご飯行きます」って言ったらそのベンツを貸してもらって。とにかく身なりを格好よく、余裕のある“ふり”をすることです。

 最初は「うちで働け、うちで働け」ってやってましたけど、いまは絶対にしないですね。「うちの店の女の子は君らと考え方が違うだけや。君らは10万、20万を追っとけばいいが、うちの女の子は100万、200万を追ってる。俺は100万、200万を追ってる女の子に魅力を感じるだけや」と。

「どんなところ?」って聞かれても「働きもせんのに教えられへん」って、ちょっと突っぱねるようにしてます。「働かなくてもええけど、俺の話を真面目に聞くんやったら仕事の内容も店も教えてやるよ」って。

開沼 女の子と知り合うきっかけもいろいろ書かれていますが、現在、スカウトをされるなかで、どういったきっかけが一番多いですか?

杉坂 最初にとにかくやることは、いままでにつながってる女の子に「風俗するしない関係なく友だち紹介してよ」と声をかける。まずはそこからです。

開沼 女のコが女のコを引っ張ってくるパターンもあると。スカウト力のある女のコというのもすごいですね。

杉坂 プロのスカウトだったら1から10まで女の子を仕込んできます。でも、そういう子たちは1から10の1だけでいいんです。「○○ちゃんが働きたいって言ってるんだけど」と聞けば「俺が話するわ」と行きます。

開沼 なるほど。

杉坂 で、話をして実際にその子が働かなくても、「見つけてくれて、ありがとう」って紹介してくれた子に1万円くらいをあげます。働いて2日で辞めたとしても「見つけてくれて、ありがとう」と3万円あげる。

 とにかく1回は金を掴まさんと、女の子は探してくれませんから。出費は痛いですけどね(笑)。2日間働いて、5000円、5000円しか儲からなくても、こっちも3万くらいあげたりするんでね。

開沼 顔が見える関係を重視して、そこから関係を広げていくのが一番というわけですか?

杉坂 そうですね。ネットとかでもやりますけど、ネットは規制も厳しいんで、あんまり強烈なことを書けないんですよ。誰かに見られてるんじゃないかなって、気を遣いながら。

開沼 電話やメールを駆使して、日々のコミュニケーションを図ると。

杉坂 そうですね。ある程度相手がわかっている子とはメールでやります。

開沼 スカウトの仕事は何歳くらいまで続けるもんなんですか?

杉坂 直接のスカウトはどんどんしんどくなってくると思います。でも、60歳の人でもスカウトしてはりますからね。

開沼 なかなか想像しにくいですね。

杉坂 ただね、60歳には見えないです。年中20代の女の子と接していますから、飛田の経営者は若く見える人が多いんですよね。いまさらほかの仕事に就けないというのもありますしね(笑)。