そんな「日本芸能史上最悪の性犯罪者」ともいうべきジャニー氏を、芸能事務所の社長としてだけではなく、「父」のように慕ってきたのが今、セクハラや性暴力が指摘される旧ジャニーズおじさんたちだ。
彼らは10代の頃から合宿所生活で、ジャニー氏と寝食を共にしてきた。多感な少年たちが、自分を芸能界という未知の世界へと導き、生きる術を叩き込んでくれる「頼れる大人」にまったく影響を受けないわけがない。実際、ジャニー氏は所属タレントたちを「子ども」、自身を「親」と呼んでいた。
読者の皆さんも身に覚えがあるだろうが、子どもというのは成長して大人になると、自分の親に似てくるものだ。「その話し方とか、食べ方とかお父さんと似てきたね」などということが家族の中でもよく語られるはずだ。
それと同じことが旧ジャニーズおじさんにも起きた恐れがある。つまり、ジャニー氏と少年時代から長い時間を一緒に過ごし、その背中から多くのことを学んでいるうちに知らず知らずのうちに、ジャニー氏の「心の闇」まで似通ってしまった。そのせいで性的トラブルを引き起こしてしまっているのではないか、というのだ。
「ジャニおじ」がジャニー喜多川から
受け継いだ「3つの悪癖」
「じゃあ性加害者に育てられた人はみんな性加害者になるのかよ、バカも休み休みに言え」と失笑が多く寄せられるだろうが、被害者たちの声から読み解くジャニー氏の「性癖」や「行動原理」がジャニーズおじさんたちと重なるということを知れば笑ってもいられない。例えば以下の3つだ。
1.「裸」をエンタメとして楽しむノリ
2.「立場」を用いたグルーミング
3.「若さ」への異常な執着
まず、ジャニー氏が「裸エンタメ」を好んでいたのは「事実」だ。1969年に初演されたジャニー氏の作・演出の舞台「少年たち 闇を突き抜けて」の目玉の一つは入浴シーン。ベージュのパンツを履いて全裸になっているかのように見えるジャニーズJr.たちが桶で局部を隠しながら踊る「桶ダンス」が目玉のひとつだった(日刊スポーツ 2023年10月5日)。その延長線上かどうか定かではないが、性加害の現場でも「裸になるように言われた」「裸の写真を撮られた」という声が多くある。