ガキっぽいのに「余裕あるね」と言われた精神科医が気づいたこと
誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)など、33万部突破シリーズの原点となった『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!

大人の余裕って、なんだろう?
今日は「大人の余裕とは何か?」というテーマでお話ししてみたいと思います。
近ごろAmazonプライムで、ハードボイルドな刑事さんが結婚を目指して婚活するという、ちょっと変わった設定のドラマを観ました。
なかなか結婚相手が見つからず、いろんな相手と出会っては玉砕していくストーリーなんですね。
「大人の余裕を見せて」と言われて……
あるとき、主人公が年下の女性とお見合いをする場面がありました。アドバイザーからは「大人の余裕を見せたほうがいいですよ」とアドバイスされ、彼なりに“余裕”を演出しようとするんです。
足を組んで「フッ」と笑ってみたり、無口を貫いたり……でも、それが逆に怖がられてしまって、「この人、なぜこんなに無口なんだろう」と不信感を抱かれてしまう。
そんなシーンを見て、「大人の余裕って、いったいなんだろう?」と考えさせられました。
ガキっぽい自分でも「余裕がある」と言われる理由
私は、どちらかといえばガキっぽいおっさんで、自分に大人の余裕があるなんて思えません。でも、ときどき「余裕がありますよね」と言われることもあるんです。
「そう見えるだけじゃないか」と思いつつ、じゃあ“余裕”って実際どんな状態のことを指しているのか、言葉の意味として少し分解して考えてみたんです。
「気にしない力」が余裕を生む
私の結論としては、「あまり気にしないこと」こそが、大人の余裕なんじゃないかと思います。
若いころって、人のちょっとした言動や理不尽なことが気になって仕方がなかったりしますよね。「なんでこんなこと言うんだ」とか「これは許せない」と、いちいち反応してしまう。
でも、大人になるにつれて、「まあ、こういうこともあるよね」とか「そんなに気にすることでもないか」と、受け流せるようになってきます。これが、いわゆる“大人の余裕”なのではないでしょうか。
細かいことを気にしないためには?
では、どうすれば細かいことを気にしなくなれるのか。そのカギは「ちゃんと見極めること」にあります。
たとえば、「この出来事を放っておいたら大ごとになるのか? ならないのか?」を冷静に考えてみる。すると、「別に何も起きないな」と気づくことって結構あります。
むしろ、関わらずに放っておいたほうが、問題が起きないことすらあるんです。
この「見極め」ができるようになると、わざわざ反応しなくても済むようになります。結果として、「気にしない力」が身につき、それが“大人の余裕”として周りに映るのだと思うのです。
「賢そうに見える」と似ている話
黙っていると「賢そうに見える」ということも、ありますよね。それと少し似ていて、気にしない姿勢が「この人、人間できてるな」と思わせるわけです。
ですので、大人の余裕を身につけたいと思ったら、まずは「気にすること」をひとつずつ減らしていくことから始めてみるとよいかもしれません。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。