老後のお金クライシス! 深田晶恵写真はイメージです Photo:PIXTA

大学生の子どもを持つ親が扶養控除を受ける場合の「アルバイト収入」の上限が、今年から引き上げられた。昨年まで「103万円」だったのが、今年から「150万円」になる。ただ、安易に「年収150万円までバイトOK」と捉えるのはキケンだ。控除の仕組みとポイントを正しく押さえておく必要がある。(ファイナンシャルプランナー〈CFP〉、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)

大学生の子どもの扶養控除は
逃してはいけない!

 大学生の子どもを持つ親にとってうれしい税制改正が今年からスタートした。

 子どものアルバイト収入が一定額を超えると、親は税金の扶養控除を受けることができなくなる。その一定額の壁について、昨年まで「103万円」だったのが、今年から「150万円」に引き上げられたのだ。

 大学生でも物価高騰による支出増のあおりを受けるし、奨学金を借りていると親の負担を少しでも減らしたいと考えるので、アルバイト収入を増やしている学生は多い。また、時給が上がっているため収入が増え、「103万円」を超えないように働く時間を調整する、いわゆる「働き控え」のケースも発生している。

 こうした背景により、「大学生のアルバイト収入の壁」が引き上げられた。国会で可決した春頃に話題になっていたので、ニュースで知っている人も多いはず。しかし、「150万円の壁」だけ覚えておくと、落とし穴にはまるかもしれない。

 税制には細かいルールがあるし、子どもの収入には社会保険の扶養も絡んでくる。控除が受けられないと、親であるみなさんの税金が年数十万円も増えることになる。あとでしまった!とならないように、正しい知識を子どもと共有しよう。